【思い込み注意】ベースはオーディオインターフェースのどこに接続?

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オーディオインターフェースにギター・ベースをつなぐ時どこにつなぐべきか迷った事はありませんか?Hi-Zの設定はあくまでハイインピーダンス入力の時のみ。じゃあ、エフェクターをかませたら?Activeピックアップでは?ずっと思い込んでいた事は本当に正しい方法?というお話です。

ギター・ベースをオーディオインターフェースに繋ぐ時の注意点

オーディオインターフェースにギターやベースをつなぐ場合どこに挿しますか?取説やネット上の説明では、「ハイインピーダンス(Hi-Zと表示される事もある)対応の6.3mmピンジャックに挿す」と表現されているのを見る事があります。しかしそれはあくまで一般的な一例にすぎません。正確には出力側、入力側双方のインピーダンス値で変わってくるのです。

 

ギター・ベース=すべて”ハイインピーダンス”とは限らない

ギター・ベースを繋ぐからとか”、”ハイインピーダンスと言われているから”というだけで判断すると間違いのもとになります。その辺がややこしいところ。まずは一般的に言われている事に注目して見ましょう。

一般的なギター・ベース(パッシブピックアップ)から直につなぐ場合

ギター・ベース本体側に電源を必要としない(電池を内蔵しない)物はパッシブピックアップになります。大抵のギター・ベースがこのタイプ。そしてこれらが出力する信号は250kΩ~500kΩ程度と高いインピーダンスとなります。そのためオーディオインターフェース側でもハイインピーダンス(HI-Z)対応の設定にするわけです。

コンパクトエフェクターを途中に繋ぐと?

では、エフェクターを間に挟んだらどうなるでしょうか?当然出力インピーダンスが変わってきます。一例ですが、BOSSのコンパクトエフェクタ―の場合ですと、1kΩ程度ですのでローインピーダンスとなります。

トゥルーバイパスに注意

BOSSのコンパクトエフェクターのようにエフェクトOFFでも実際にはバッファー回路を経由している場合、ローインピーダンスに変換されます。

一方トゥル―バイパス搭載のコンパクトエフェクターの場合はエフェクトOFF時にバッファー回路を文字通り本当にバイパスしているため、インピーダンス変換されずそのまま出力されます。元がローインピーダンスだった場合、ローインピーダンスのまま出力されるため注意が必要です。

 

アクティブサーキットの場合、もう少し複雑

ややこしいのは、アクティブサーキットの場合。本体側に電池を搭載する事になっているのでアクティブかどうかはすぐに分かりますね。EMGやバルトリーニあたりが有名ですが、最近では5万円以下で入手できる安価なベースなどにもアクティブサーキット(回路)を搭載しているケースが増えました。これらの場合、出力インピーダンスが10kΩ~25kΩ程度という事が多くなります。

ハイインピーダンスのギターから比べれば低い値になるため、”アクティブサーキット=ローインピーダンス表現される事が多いですが、これはあくまでギターの世界でのお話し。オーディオインターフェース側から見るとまだまだハイインピーダンスの範疇に入るため要注意が必要です。

つまり、便宜上説明では以下のように言われる事がありますが、注意が必要という事です。

  • ”ギター・ベースを繋ぐから”
  • ”エフェクターを繋ぐから”
  • ”「ローインピーダンスだ」(と言われている)から”

これら見た目だけで判断するのは危険。正しく判断せねばなりません。

迷ったら?ロー出しハイ受けの原則で判断する

では、接続方法や設定をどのように判断できるでしょうか?ここは理論で考える必要があります。

ロー出し・ハイ受けの原則

ローとかハイというのはもちろん、インピーダンス値の事。ロー出しハイ受けとは以下の事になります。

  • 出力側はローインピーダンスで出力
  • 入力側はそれよりもハイインピーダンスで受ける

このインピーダンスの話は複雑でそれだけでいくつも記事が書けるくらいの量になってしまうのですが、ここは一つざっくりと、ロー出し・ハイ受けでないといけない理由をイメージで。

  • ロー出しは、水道から出た水をたらいで受けるようなイメージ。より大きなたらいで受け取るので(ハイ受け)、漏れる事はなくきちんと受け止めてくれる

  • ハイ出しで、受ける側がローだと、土管(ハイ)の水をコップ(ロー)で受けるような?!もので溢れる事は必至。

※あくまで一つの視点からのイメージです。実際には他にも関係する要素があるのですが今回は枝葉末節の話になるので省きました。

取扱説明書をよく読んで判断

結局のところ、自分の使用している楽器やオーディオインターフェースの取説をよく読んで把握する事が大切です。僕が使用しているberhinger・U-PHORIAシリーズのUMC202HDに付属の取扱説明書では以下のようになっていました。比較的安価に購入できるオーディオインターフェースの例です。

berhinger・U-PHORIAシリーズUM2/UMC22/UMC202HD/UMC204HD/UMC404HD

入力インピーダンス:

  • Mic in:3kΩ
  • Instrument in:1MΩ

※仕様は予告なく変更される事があります。必ずご自分の使用されている機種の取扱説明書を確認してください。

UMC202HDの場合、INSTボタンを押すことでHi-Zの設定になります。機種によっては同じように切り替えスイッチで変更したり、ケーブルを挿す位置で決まっていたりと様々ですので確認の上接続するのが確実です。

まとめ 目に見える形にとらわれず、理論的に判断するようにしよう

今回は、「ギター・ベースはこっちにつなぐ」といったような、単なる”形””決まり事”として判断すると間違いのもとになり得る事を考えてみました。基本は取説をよく読むという事でしょうか。電気信号という目に見えない世界の事ですので難しく考えがちですが、基本さえわかってしまえば迷う事はそれほどないのでは?と思います。

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